上田麻希子さんは約10万人以上のフォロワー数を誇るインスタグラマーです。
日頃の投稿では自宅収納の方法や等身大のライフスタイルを発信しており、身近なボックスを巧みに使い、子供のおもちゃをパパっと整えるその整理術は、多くのファミリーを魅了しています。
雑誌などのメディアにも続々と取り上げられている、今注目のインフルエンサーです。ちなみに上田さんは、
旦那さん、6歳の息子さん、愛犬との4人暮らし。3LDKのご自宅には、どんなこだわりが詰まっているのでしょうか?
家族の気持ちを大切にする、性格重視の思いやり片付け術
——上田さんはInstagramで家族が楽しく暮らすための片付け方法をアップされていますが、片付けが楽しい暮らしに繋がるポイントを教えてください。
「私は、ただ部屋が片付いてすっきりするのではなく、片付けられた部屋が家族にとって使いやすく楽しい状態である、ということを意識しています。
例えば、最近増えた物はできるだけ目のつきやすい場所に、ブームが去った物は見えない場所に片付ける。
こうすることで、最近買った物は常に見えている状態なので、買った本人も楽しい気持ちになるんです」
——なるほど。そしてブームが去った物が散らかることもなくなると。
「そうなんです。
また頃合いを見て、この引き出し半年くらい開けてないけど中の物いる?と尋ねます。
で、これから使う予定であればそのまま残しておき、当分引き出しを開けていないしもういらない、ということだと処分します。
こんなふうに、物への愛着を確かめながら整理することができるんですよ。
またこの、最近増えた物を目のつきやすい場所に片付ける方法によって、今こういうモノにハマっているのか、と家族のマイブームを把握することもできるんですよ」
——家族のブームを知ることは、普段の会話にも繋がりそうですね。
「はい。夫や息子の内面は日々変化しており、新しい趣味を見つけるということもそのひとつ。
家族の状況や気持ちの移り変わりは自然なことなので、私はそれをできるだけ大切に捉えるようにしています」
——でも家族の趣味が変わるたびに物が増えていくのは大変では?
「そうですね、夫は買い物好きで後先考えずに物を買うタイプなので(笑)。
でも40年以上このスタイルで生きていますから、買い物グセはそう簡単に直りません。
家をスッキリさせるために、ショッピングを止めて欲しいと言っても本人は辛いだろうし、それで住まいが整理されるわけでもないんですよ。
なので、物が増えても段階的に処分できるこの片付け方にたどりついたわけです」
コレクション心をくすぐるこだわりが詰まったトミカ棚
——お子さんのおもちゃは日常的にどんどん増えて、片付けに困りそうですが、どんな工夫をされていますか?
「まずはよく遊ぶ一軍のおもちゃと、それほど遊ばない二軍に分けます。
そして二軍は扉の付いている棚など目のつかない場所へ。一軍はいくつかのボックスに分けて、すぐに取り出せる場所に起きます。
さらに一軍のボックスには名前をラベリングして、子どもが自分でも片付けられるようにしています。
ちなみに今のラベリングは、たからもの、きょうりゅう&ポケモン、フリーボックスの3種類です」
——確かにこの分け方だと、何が今のお子さんにとって宝物なのか、すぐにわかりますね。
「また大切な物を仕分ける力が身に付けばいいなと思っています。
普段から大切なおもちゃはどれなのか考えることで、自分にとって必要な物を自然と選べるようになってくれたらなと。
息子世代は私たちの世代よりも情報が溢れています。
その膨大な情報の中から自分にとって本当に必要なものを見極めなければいけない。
普段の片付けによってこのスキルを磨いてもらえると嬉しいですね」
——上田さんはさらに子どものおもちゃに、見せる収納も取り入れてるんですよね。
「そうなんです。息子が大切にしているトミカを飾る棚をDIYしたんですよ。
幼いころから息子は好きな物がコロコロと変わりました。
でもトミカだけはずっと大好きで。
その熱量に歯止めが効かず、いただくことも増えてボックスから溢れてしまったので(笑)、トミカ専用の棚を手作りしたんです」
——棚をDIYされるってなかなかのこだわりですよね。
「よく聞いてくれました(笑)。
棚が斜めになるように設計したんですが、これが前向きな片付けを生むための工夫なんです。
我が家の男2人には、好きな物が綺麗に並んでいると嬉しいというコレクション癖みたいなものがあると思うんですけど、設置場所を斜めにすることで展示している感覚になって、その癖がより刺激されるんですよ。
それもあって息子はトミカを美しく並べることに興味をもち、積極的に片付けるようになりました」
片付けの魔法で口喧嘩をカット、日頃の家族時間に笑顔をプラス
——では家を整理整頓することで、家族にどんな影響がありましたか?
「そもそも、それほど口喧嘩をする家族ではなかったですが、片付けを徹底することで、より言い争いが減りましたね。
昔はお互いに無駄と感じる物がイライラに変わり喧嘩を引き起こすことがありました。
夫から、あれどこにある?と聞かれた時に、この前教えたよね、何度も聞かないで!というやりとりもそう。
つまり大切な物が整理できているかどうか、というのは家族の健やかな関係にとって重要なんですね。
現在の我が家では、物を置くスペースが決まっており、私も夫も所定の場所に戻します。
この片付けの習慣には、想像以上にストレスをカットしてくれる力があり、穏やかな暮らしをもたらしてくれています」
——上田さんが実践している片付けのテクニックを使うと、家族の雰囲気もさらに変わりそうですね。
「そうかも知れません。
私の片付けのテクニックで、家族が関心あるものを見える場所に収納する、というものをお伝えしました。
これによって、例えば息子がカードゲームに興味を持ったなら、それに素早く気づくことができて、家族みんなでカードゲームを楽しむようになるかもしれません。
そんな家族の時間に展開を与えるのが、お互いのマイブームに関心を持てる整理術なんです。
片付けるという行為には、暮らしを美しく保つこと、それと同等に身近な人の関心ごとを理解し、大切にしようとする心も含まれているように感じています」
上田麻希子
2019年に『day-to-day life』を屋号としてライフスタイルアップコーディネーターの活動を開始。インスタグラムでは、自宅収納や等身大のライフスタイルを発信中(@uedmkk)。買い物好きで捨てられない1つ年上の夫、内弁慶タイプの6歳の息子、8歳の愛犬と一緒に76平米の3LDKマンション暮らし。保有資格は整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリスト、整理収納教育士、片づけ遊び指導士。