家族や親子の時間を、より豊かにするためのヒントを見つける「Wican FAMILY TIME」。
第25回は、北欧デンマークで爆発的人気となった、寝かしつけの絵本『よるくまシュッカ』をご紹介します。
デンマークの”国民的くまさん”
『よるくまシュッカ』は、デンマークでは2018年に発売がスタートした絵本で、作者は、エミリー・メルゴー・ヤコブセンという女性。
この『よるくまシュッカ』、すごいんです。
およそ31万人といわれているデンマークの子どもの人口の中で、
この絵本の売れ行きは、およそ3万部!(日本の規模で考えると、50万~60万部クラスの売れ方をしている!)
絵本の主人公・シュッカは、デンマークで今、知らない子はいない!というくらいの、”国民的くまさん”です!
デンマークのコロナウィルスの検査センターの壁には、このシュッカのポスターが貼られ、
検査を怖がる子たちを元気づける存在としても一役かっているのだそう。
『よるくまシュッカ』が、なぜこんなに人気なのかというと、どんなに寝つきが悪い子どもでも、
この絵本を読めばすぐに眠る!という効果がきわめて期待できるから!
ストーリーは、シュッカが子どもを抱きしめて眠りにいざなうというものですが、
ストーリーの他にも、眠れる仕掛けがたくさんあるんです。
『よるくまシュッカ』に隠された秘密を、百万年書房代表の、北尾修一さんに伺いました。
名前を呼んでもらい、気持ちいい呼吸法で眠くなる…
普通絵本というのは、話があってそれを楽しむものなんですけれども、
『よるくまシュッカ』に関しては、お話はもちろんあるんですが、
それと別にちょっと実用書に近いんです。寝かしつけの絵本で、これを読んであげると、
子どもがすごく気持ちいい、安らかな気持ちになって、安心して眠るという効果がある絵本です。
大きく分けると2つ理由があって、
1つは中では「…」という文章の一部がスペースになっているんですけど、
そこに自分の名前を入れて読んでもらうんですね。
なので、子どもにとっては自分に語りかけてくれているような絵本です。
語りかける内容が、
あなたのことが大好きだよ、愛してるよ、あなたはこの世の宝物だよ、
みたいなことをずっと言われるんで、
子どもはすごく安心するだろうなぁ、不安とか一切無い状態になるだろうなっていうのが1つ。
この作者のエミリーさんという方が、
メディテーションにすごく詳しい方で、呼吸法を活用しているんですね。
絵本の中に、“ここのフレーズは、こういう形で、こういう風に息を吸って、こういうふうに息を吐きながら読んでください“とか、
”途中でふわーっと、あくびに近いような言葉を入れて下さい“みたいな指示があって、
読んでる方もすごく気持ちよくなりますし、その気持ち良さは子どもに伝わるだろうし、
呼吸法も読まれている子どもの側にもうつると思うんですよね。
なので、すごく自分のことを肯定してくれる言葉と、その気持ちいい呼吸法で、
その掛け合わせになってるので、これはすごく安心して寝られるんだろうなって思いました。
名前の呼びかけと、呼吸法でみるみる心地よくなるんですね。
実は、このたび発売された日本版では、通常版の他に、「こども用」という小さいサイズの絵本も発売になっています。
子どもが自分で読んで自分で寝るためのもの、
さらに、弟・妹や年下の友達に、その子が読みきかせてあげられるし、
疲れているお父さん、お母さんに読んであげよう、という提案もできます。
『よるくまシュッカ』『よるくまシュッカ ミニ』ともに、百万年書房より発売中です!
http://millionyearsbookstore.com/
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